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ウキィペディア「ディプロマミル」旗争奪戦の研究(8)~イオンドの「誹謗中傷サイト」
小島 茂(学歴ネット編集長)

以下、読者よりメールが届いた。

●イオンド大ですが、大学ごっこしてると詭弁を弄しつつ「誹謗中傷サイト」が開設されました。

 
 この「誹謗中傷サイト」は2ヶ月ほど前掲載された時から知っていたが、その中に「学歴や学位の識者たちの過ち」という箇所があり、その主張は支離滅裂で数多くの誹謗中傷と間違いがふくまれているので、「『学歴や学位の識者たちの過ち』の誹謗中傷と過ち」という正しいタイトルに変更すべきだろう。以下、イオンドの主張の数多い過ちの一例を記す。

●米国の大学制度のように職場経験や専門学校などで学習した内容を単位として認定したり、夜間・週末・ネット通信教育などの多彩な生涯学習手段を取り入れている「ノントラディショナル・エデュケーション」(非伝統的教育)を日本でも普及させること、および国民が文部科学省や政府への依存を止めて、各自が最もよい教育を実現しようとすれば閉鎖的な日本の教育環境は必ず変わると述べています。(イオンドの主張)

→これはディプロマミルがよく使う詭弁で、以下の文にもあるように、自らがディプロマミルであると暴露しているようなもの。

「アメリカの高等教育の多元的構造は、強みであると同時に弱みでもある。もともとの性格である柔軟性と実用主義的傾向により、健全な革新と想像力の発揮が重視されてきたのであるが、まさにこの実利主義と柔軟性こそが同時に混乱の原因ともなっている。というのも、これあれが学歴販売業(ディプロマミル)を革新というニシキの御旗のもとにはこびらせることも可能にしたからである。
 近年、多くの学歴販売業(ディプロマミル)が自分の機関をノントラディショナル「非伝統型」と称して、これこそ高等教育を、成人としての責任を持つ人々により有益でみじかなものにする最先端のものだと宣伝している。こうしたやり方の中にはごまかしや詐欺が含まれていることが多いが、高等教育の最新の新しい展開に不案内な人々にとっては十分に理解できにくい。ここにこそ、「非伝統型」高等教育を正統に認めるという方向を妨げる問題があるのだ。」(「学歴産業(ディプロマミル)~学位の信用をいかに守るか」(玉川大学出版、1990)より引用。

●ライブドアの時間外取引によるフジテレビ株の大量取得が話題になりましたが、これは東証が1998年に導入した立会い時間外に株式売買のできるオンラインシステムを使っただけのことであり、この2005年当時は、証券取引法上も合法であり問題はありませんでした。(イオンドの主張)

→ライブドアの堀江被告には禁固3年間半の実刑判決が下っている。

●新しいことをしている個人や法人こそが歴史の推進者であり、時代の開拓者であることに早く気づくべきではないでしょうか。(イオンドの主張)
以下、イオンドの「学校案内」より。
産学協同のシンクタンク型大学
社会経験も単位評価するアセスメント型社会人大学
距離的・時間的制約を克服したインターネット大学

→ブログ「学歴汚染」(4月24日号)でも述べたが、真正保守とは祖国を愛し、祖先の叡智や世代を経た古き制度を革新という名のまやかしから守る哲学であり、イオンド大がウリとしている革新、つまりインターネット大学、株式会社大学、社会経験単位化大学は、ディプロマミルとの共通点であっても、真正保守とは正反対で、むしろ祖国を愛し祖先の叡智や世代を経た教育や伝統や制度を破壊する点でイオンドが自ら否定する左翼思想やアナーキズムに近い。
 また、以下にも書かれているように、社会経験の単位評価もディプロマミルの特徴のひとつである。

「学歴販売業(ディプロマミル)が犯した最も我慢ならない罪は、...(中略)...適切な手続きを踏まずに、(社会)経験学習に対して単位を割り当てていることである。一例を上げると、ある仕事に1年、2年、3年と務めた経験があれば、...(中略)...それに釣り合った単位が割り当てられるのである」「学歴産業(ディプロマミル)~学位の信用をいかに守るか」(玉川大学出版、1990)より引用。

●PWU大学などの博士号を取得した後、助教授から教授へ昇進した例を身近で見聞したとしても、私たちは時間や労力を要した自分の場合と比較して嫉妬心や敵意を燃やすことはありません。そして、誰かのようにサイト上において「学位をカネで買うな!」・「学歴が汚染されつつある!」・「ニセ学位だ!」という偏狭なメッセージを発信し続け、米国など海外の教育制度に関して、不公正な、場合によっては虚偽の情報、つまり、政府や法律によって学位・学歴の価値が決められているかのごとく宣伝することは完全なる過ちです。学位の価値を決めるのは、現代社会とのかかわりの中で使命感を持って学んでいる人自身です。大学などの高等教育分野における政府規制の強化を主張することは、教育制度の「既得権益」を守ろうとしていることにすぎず、グローバル化の時代に逆行しており、日本の現代社会に一層の閉塞感をもたらしているにすぎません。

→反論用に、2月15日のブログを再録する。

暗雲立ちこめる営利大学と見直される伝統大学

 小島 茂(学歴ネット編集長) 

 米国の要請を受けた小泉前首相の、官から民へという構造改革=規制緩和により、郵政に続いて、いよいよ教育も荒海の中に旅立った。高等教育の規制緩和によって、インターネットによるオンライン教育主体の営利大学(=株式会社大学)の教育への参入が始まり、ディプロマミルも甘い汁を吸おうとその流れのどさくさに紛れ込んでいる。

 しかしながら、高等教育で、日本より一歩も二歩も先んじるアメリカでは、早くも営利大学に暗雲が立ちこめている。「姿なき占領」(ビジネス社、2007)で、筆者の本山美彦氏は、営利大学では実学志向、資格取得志向が強まり、古今東西の出来事に対する知識や教養はないがしろにされ、金を集めることのできない教授は切り捨てられ、学問は廃れていくという。米国における営利大学の最大手フェニックス大学は、教師の90%以上が非常勤で、教師と学生の間に人的交流が成立し難いとしている。

 さらに、営利大学を偽装したディプロマミルが増え、州によっては、営利大学には学位授与や奨学金に制限を加えるところも出てきている。開校はしたものの1、2年で閉校する無責任な営利大学も少なくないという。

 フェニックス大学に関しては、 2月11日付けのニューヨークタイムズも取り上げ、現在、同大学は、39州にまたがるブランチキャンパスと30万人の学生を擁するという。ところが、卒業率は、州立大学の55%に対し、16%と極めて低く、1科目当たりの授業時間は州立大学の半分で、おまけに授業料は州立大学の2倍だという。

 これを受けて、NY市立大学の佐藤隆三名誉教授は、静岡新聞(2007.2.14)の社説で、利潤の極大を狙い、教育の質を著しく低下させる営利大学の進出に警鐘を鳴らし、米国の著名大学のように、教育の質の極大を目指す伝統的大学の復活を提唱している。

 日本は、こうしたアメリカの苦い教訓を生かして、教育の規制緩和や営利大学(株式会社)の弊害すなわち教育の質の低下とディプロマミルの浸透に歯止めをかけ、むしろ伝統的大学教育の良さを維持強化すべきだろう。
by darmouse | 2007-04-26 00:04 | イオンド大学IOND


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